精神科医が意識低く赤ちゃんを育てるブログ

非医師の超転勤族の夫(育休2か月→復帰)と0歳児とモタモタ暮らしています。

女性差別の敵は誰か〜「フェミはブスばかり」と信じていた思い出~

医学部入試の不正に端を発して、医学界の女性差別問題が盛んに議論されるようになりました。

 

「女医は戦力外」はある意味正しい。

何故女は、使えないにゃんにゃん女医になってしまうのか??

「男と同じだけ頑張るぞ!」という当初の意気込みはなぜ維持できないのか?

 

私個人の黒歴史をメインにこの件について書いてみようと思います。

 

イタい処女だった女子高生時代

お勉強だけは得意でした。

高校生くらいでお勉強ができると調子にのるものです。

 

女友達から「男子より全然かっこいい~付き合いたい~」と言われる系の

イタい処女そのものでした

 

ところが、全国模試で1ケタをとっても

意外に親や教師の反応は薄いものでした。

「男子があとから伸びる」

と言われたのです。

 

そうでしたか、と素直に納得した私は

東大理ⅢがA判定だったけど駅弁大学オープンキャンパスに参加

 

最後の模試でも理ⅢはA判定のままでしたが

「自分なんてそんなタマじゃない」と

地元に近い旧帝大の医学科を受験しました。

 

無事合格通知が届いたころ、ようやく、

あれ?男子はあとから伸びると言われたけど、うちの学校では誰にも抜かれなかったな

 

とキツネにつままれた気分でしたが、深くは考えませんでした。

 

イタい処女女子大生、洗礼を受ける

意識高く、無限の可能性を信じ、医者業に人生捧げるぞくらいのノリで乗り込んだ大学。

しかし早くも暗雲(?)が立ち込めます。

 

入学式当日に教授たちとの懇親会みたいのがあるんですが、

 外科の教授に、面と向かって

「女なら麻酔科にでもなれ」

と言われたんです。

 

あれ?

 

そんな環境で生きていくために

部活にはいりました。

 

実際調子にのっていたんですが、案の定

「あいつはプライドが高い」

と5年生の男性の先輩に睨まれ、飲み会に呼ばれずハブられてしまいます。

 

「プライドが高いって〇〇先輩から嫌われてるから態度を改めたほうが良いよ」と助言してくれる優しい男性もおりました。

 

それまで対人関係のトラブルをあまり経験してこなかった私は

自分が嫌われているということが怖くて怖くて

 

はじめての西医体のとき、飲み会で彼に

みんなと仲良くしたい、自分に悪い所があったら治したい

と懇願しました。すると

 

彼は

「そういうところがプライドが高い」

と非難しつつ、

 

セクハラしにくい空気がいけない

 

とアドバイスしてくれました。

(あとは、「処女なのがいけない」とも)

 

自分としては意識していなかった、治したい、と詫びると

 

彼は部活の男子みんなに「こいつはセクハラOKだってよ」と親切に周知してくれました

 

そこでようやく私は部活の一員として認められました。

 

身体を触られてもニコニコ笑い

酔いつぶれて路上で眠り

「下ネタ教えてください!」とけなげに尻尾をふる私を

彼らは

「プライドの高いヤツだと思ってたけど、実は良い子だったんだね」

と大いに褒めてくれました。

 

とても嬉しかった。

 

初めての一人暮らしで心細かった私ですが、

居場所ができてホッとしました。

 

男の人の言うことを聞いていれば、毎日が楽しい

このように徳を積むことで「医学科女子っぽくない」と賛辞を受け

部活以外にも男の子の友達が増えていきました。

 

彼らの

「医学科女子ってプライド高くてめんどくせー」

「〇〇教授が女子嫌いだから女子は受験で落としてるって」

「実習班に女がいると風俗連れてってもらえないから最悪」

「女はクリスマスケーキだから(24歳以降は売れない)」

「女性の権利とか言ってるヤツはブス」

 

といった意見を

「そうだそうだ」とニコニコ支持し、私もその通りだと考えるようになりました

 

そんな環境に迎合せず毅然とした態度を貫く女友達のことは

「女のくせに頑張ったってどうせ無理なのに。もっとラクに生きれば良いのにな」

不思議に思っていました。

 

だって男と張り合わずに、従順にニコニコしていれば、

誰にも意地悪を言われず、仲間外れにされず、

毎日が楽しいんですもの。

 

卒業する頃には

「何科になる?」と聞かれれば

「およめさん」

と答え、男友達から

「ほんとお前は性格が良い。良いお母さんになりそう」

と賞賛されました。

 

男以上にバリバリ上を目指す人生になる!

と信じて疑わなかった「イタい処女女子高生」の姿は完全に消えていました。

 

# me too とか言ってる人ってどうせブスでしょ

誤算だったのは、やってみたら予想外に精神科の仕事が楽しくて、うっかりすごく真面目に働いてしまったことです。

 

でも「女性」性に対する基本的なコンセプトはかわりませんでした。

 

男性同期(既婚)が実習に来た女子学生をヤリ捨てして院長にチクられたときも

「ブスに言いがかりつけられて大変だったね」心から彼をねぎらいました。

 

それは本心だったのか?

そうこうしているうちに妊娠と夫の転勤が重なって一時的に退職し

お医者さん界と距離をとるようになりました。

子育て情報欲しさにツイッターを始めました。

医学部入試の女性差別が問題視され始めました。

 

医学部の女性差別は周知の事実だったので

いまさら?

と思いましたが、それを非難する人がたくさんいること、それを皆がツイッターで堂々と発信しているのをみて

 

あれ?怒って良いことだったのか

 

とびっくりしました

 

と同時に、今までのたくさんの「あれ?」が積み重なり、

つい最近まで

  大学に入った頃の私は未熟で、今は現実の見える大人

と思っていたけれど、

 

間違っているのは今の私であって

イタい処女だったころの私は間違っていなかったのかもしれない

 

と混乱しはじめました。まだ混乱しているところです。

 

私はどうするべきだったのか

高校で、「女子は伸びない」と言われたとき。

大学で、「セクハラしにくいのがいけない」と言われたとき。

 

「それって女性をバカにしてませんか」

 

と怒って良かったのかもしれない。

 

でも、今あの頃に戻れるとしても、

私は誇りを失わずにそう主張することができるかわかりません。

9割が男性の医学部で、男性に嫌われて生きていくのは本当に怖かった。

 

 

結局、やり直せるとしても、

男性に媚びを売って生きるほうを選んでしまうかもしれません。

私は弱くてずるい人間だから…。

 

私と同じ環境にいても誇りを失わずにいた女性たちへの敬意と、

私が男と肩を組んで攻撃してきた女性たちへの謝罪をこめて、

せめてうちの0歳児には私のような人間にならないように伝えていきたいと思っています。

 

 

追記

・こんなにたくさんの方に読んでいただけるとは思わず書いたのでお見苦しい点が多くすみません。あくまでも個人の主観&単なる一例報告で一般化するものではありませんし、ホント私が悪かった点だらけなんですが、予想外に暖かいお言葉をたくさんいただき嬉しいです。ありがとうございます!

 

・すみせん、説明が不足していたのですが「医者をやめた」わけじゃないです!出産数ヶ月前に引越しのため退職しましたが、0歳4月のタイミングで再就職します。精神的には転落しましたが、「いちばん」を目指して走り続けた場合とは違う診療を地味にまじめにやっていければと思ってます。わかりにくくてすみません。

 

・ブログのシステムがまだわかっていなくて登録とかコメントしてくださった方にまだなにもできてなくてすみません!折を見て学びます。