精神科医が意識低く赤ちゃんを育てるブログ

非医師の超転勤族の夫(育休2か月→復帰)と0歳児とモタモタ暮らしています。

誰も教えてくれなかった立ち会い出産のデメリット

お腹が大きくなるとしばしば遭遇する質問。

「立ち会い出産するの?」

 

これ、「母乳で育ててるの?」と同じくらい余計なお世話だと思ってます。

「立ち会いしない」という選択も堂々として良いと思いますし…

 

ともあれ、我が家が立ち会いにするか決める時、意外に情報がなくて困ったので、

について、書いてみようと思います。

 

そもそも父親側からの体験談が少ないこと、

母親側に遠慮して自分たちも大変なんだと言えないことも、問題だと思うんですよね、、

 

 

出産前のビビリ期

当初夫は「どんなもんか見てみたい」と立ち会いを希望していました。

 

それが私のお腹がどんどん大きくなり、いよいよ、となると、

急にひよりはじめました。

 

血が怖いとかではなく、

 事態の大きさを受け止めきれない

ということみたい。

 

私としては、軽いノリで立ち会いされるよりも

いろいろ考えてくれたことが嬉しかったので

 

これから私たちが仲良くやっていくことのほうが大事なんだから、

立ち会いしなくても全然良いんだよ

 

と、ほうっておきました。

 

結局本人のなかで知的好奇心が勝ったらしく、

臨月に入ったころには立ち会いする決意が固まったようでした。

 ◆

直前になって「やっぱりやめたい」と言い出すお父さん結構いるんじゃないでしょうか?

それはきっと彼なりに自覚を強めているからだと思います。

なのであまり怒らないであげて‥

 

実録 立ち会い出産

※夫の状況はあとから聞いたものです。

◎16時 陣痛?

たいして痛くないけど、10分おきくらいに張るなぁ、と念のため病院へ

あっさり「陣痛室」へ。あれ?ほんとにうまれるの?

 

◎19時 充実の立ち合いライフ

私:陣痛の合間にもりもり病院食を食べる。

夫:あおいだり、腰を押したり、思い描いた立ち合いライフ

「このくらいで産まれれば、お互い見苦しい所を見せずに済むね」と話をする。

 

◎23時 もうなにがなんだか。

私:めちゃくちゃ痛い。陣痛のたびにギャーと叫ぶ。

  なのに遅々として子宮口は開かず。

  頭の中には「軟産道強靭」「過強陣痛」などのデタラメ用語が渦巻く。

  「痛すぎて失神すれば帝王切開にしてもらえるかな」と考える。

夫:陣痛のたびに粛々と私の腰を押す。

  内診時は助産師さんの配慮で退場させられる

  退場中、夫は「考えてる博士のように」廊下を歩き回り、靴擦れ。  

  退場が頻回なので出産の全体像がつかめず。

 

◎6時 分娩台に移動。

私:どうやら失神しないようなので失神は諦め、今度は「軟産道強靭のため帝王切開」に期待

  でも医者呼び出し、オペ室連絡、血液検査、各種IC、硬膜外麻酔…にかかる時間も耐えられないと思い結局絶望

夫:(私)は体力も気力もないから耐えられないに違いない。

  筋トレさせておけばよかった。

  このままだと妻が死んでしまう。

  有事の際は自分がしっかりしないといけない。

  シミュレーションしておこう。「母体を優先してください」「母体を優先してください」

0歳児:ひとりだけ超元気。

  

◎7時 やっと子宮口がフルオープン。分娩台がふんばりモードに変形。

私:まだ絶望から立ち直れず、本当に産まれるのかいと疑心暗鬼

  友達からの「長いウンコだよ!」というアドバイスをもとにふんばると「上手!」と大絶賛。

  5回くらいイキんだところで酸素マスクがやってきて、

 「胎児心拍でも落ちたかな、これはマズいぞ」と思った瞬間に、

    ぬるん

 

◎8時 誕生

私:生まれてから泣くまでの0.5秒くらいがすごく長く感じて、

  「どうしよう、泣かない」と絶望しているところに

   かすかな鳴き声

 「どうしよう、啼泣がよわい」とまた絶望している私をよそに

   みんな「すごいげんき!!!」とお祭りモード。

 (どうやら私の意識がもうろうとして耳が遠くなっていただけのようで、大きな声で泣いていたそう)

   とりあえず、もう疲れすぎて何が何だか。

  夫:事前のリクエストどおり、産まれた瞬間に私に眼鏡をかける。

   「あのときはさすがに感極まった」と言っていたが、多分嘘。

 

◎その後

  私:後陣痛やら会陰切開が劇的に痛かったけれど、

   「トイレに行けないと導尿」と言われていたので心身を奮い立たせてトイレに歩き、放尿。 

   当日は吐き気やらあちこちの痛さで飲まず食わずで転がり、授乳も2回で断念

   翌朝にはすっかり元気で朝食を完食し、朝シャンしてお化粧して嬉々として授乳。

  夫:とりあえず帰って爆睡。

 

メリット

〇私が寂しくなかった。

私の場合、陣痛室からスタッフが誰もいなくなる時間がけっこうありました。

そのあいだ、あんなに痛いのに一人で頑張るなんて無理。

 

夫が何をしてくれたわけではないですが(夫は女性上司から「立ち合い中、夫がベラベラしゃべってうるさかった」と聞いて静かにしていたよう)そばにいてくれたことが本当に心強かった。ほんとにほんとに。

 

×父親としての自覚?

これ、よく言われますが、

私は自分で産んでも母親としての自覚なんて全然でませんでしたので、

たかが20時間とか立ち会いした程度で自覚が生まれるかどうかは、個人に依るかなと。

(私の母性の覚醒についてはこちら

生物学的な母親であることは良い親の必須条件なのか~「母性のような何か」を得る方法~ - 精神科医が意識低く赤ちゃんを育てるブログ

 

デメリット

〇夫の精神的苦痛

これ、意外とどこにも書いてなかったんですが一番大きいと思います。

精神的苦痛といっても性欲とか血が苦手とかの次元じゃありません。

 

古典的な拷問の手段で、目の前で大事な家族を拷問するっていうのがあるじゃないですか。杜子春的な。

 

目の前で家族が、死ぬほど苦しんでいる。

自分には助けてあげられないし、その場を離れることもできない。

 

家族の拷問を見続けるという拷問。

 

だから、立ち会い出産って、産む女性よりも、見てる男性のほうが辛いと思います。

 

とくにうちの夫は私に対して過保護というか、私が辛い思いをしないようにお世話してくれるタイプだったので、ただ見てるっていうのがすごく辛かったみたいです。

 ◆

ちなみにこれを夫が話してくれたのは産後1か月以上経ってからでした。

私の惨状を目の当たりにしていたので「俺も大変だった」なんて言うのは気が引けたみたい。

 

このデメリットがあまり言われていないのは、

「夫も大変でした」なんて言ったら

「ママが一番たいへんなのにーー!!」とフルボッコにされそうでみんな言い出せないからなのかもしれません。

 

パパ側からの体験談も、もっと遠慮せずに言えるようになると良いですね。

出産に限らず周産期には父親にも大変なことがたくさんあります。

そのことを父親側も自由に発信できて、それを母親側がきちんと受け止める地盤ができると良いなぁと。

父親が母親の顔色を過度に伺うと、夫婦間に溝ができてしまうので、、

 

×セックスレス、血で倒れる?

 ってよく言われますが、股の下から見ない限り関係ないと思います。

 

これから立ち会い出産する方へのアドバイス

・事前に、股の下からは見たくないと伝えておきましょう。

 病院は慣れてますから多分対応してくれます。

・夫に求められているのは役立つことではなく、そばにいることです

 何もしないことはいちばん辛いですが、「ただ静かにそばにいる」ということを心掛けてください。

 

結論:理想のお産スタイル

寂しいから立ち会いしてほしいけど、

拷問を見続ける夫がかわいそう。

 

なので、私は次出産する機会があれば

無痛にして、立ち会い

にしたいなと思っています。

 

これが夫にも妻にも優しい選択肢かなぁと。

 

というより、有痛分娩は私の根性では耐えられません…